消費者の選択を左右する!口コミの起きる3つの原理と具体例
口コミの起きる原理について、具体例を挙げながら解説します。
口コミとは
口コミとは、消費者同士が商品やサービスについての情報を共有することを指します。近年、SNSやレビューサイトなどの普及により、口コミがますます重要な役割を果たすようになっています。その理由は、口コミが信頼性が高く、購買意欲を高めるとされるからです。そこで、今回は、口コミの起きる原理について、具体例を挙げながら解説していきます。
【口コミの原理】
まず、口コミが起きる原理を解説します。口コミは、以下の3つの原理によって生じます。
1.社会的証明
人々は、自分が選んだ商品やサービスについて、周囲に良い印象を与えたいと考えることがあります。そのため、自分が選んだものが、多くの人に選ばれているという「社会的証明」があると、自分自身の選択が正しいものだと感じることができます。
2.情報の非対称性
商品やサービスについての情報は、必ずしも公平に配分されるわけではありません。情報を持っている人と持っていない人がいるため、情報の非対称性が生じます。この非対称性を解消するために、消費者同士が情報を共有することがあります。
3.調整のコスト
商品やサービスを選ぶ際には、多くの情報を収集し、比較する必要があります。しかし、これには時間や労力がかかります。そのため、消費者は、他人の意見や口コミを参考にすることで、選択の調整コストを下げることができます。
【具体例】
次に、具体例を挙げながら、口コミが生じる原理を見ていきます。
例1.社会的証明
あるオンラインストアで、人気のある商品を購入すると、他の購入者のレビューが表示されます。そのレビューには、「これはおすすめ!」「こんなに使いやすい製品は初めて」といった言葉が並んでいます。これを見た消費者は、「多くの人が選んでいるから、自分もこの商品がいいのかもしれない」と考えるようになります。また、SNS上で有名人やインフルエンサーが商品を紹介すると、その商品の需要が急増することがあります。これは、その有名人やインフルエンサーが「多くの人がこの商品を使っているから、私も使ってみました」という感覚を与えることができるからです。
例2.情報の非対称性
自動車の購入を考えている人がいるとします。しかし、自動車についての情報は、メーカーからの広告や販売店の説明書きに限られています。そのため、自分が気になっている車種を実際に乗っている人の意見を知りたいと思うことがあるでしょう。そこで、口コミサイトやSNS上で、その車種を実際に乗っている人のレビューや感想を見ることができます。これによって、情報の非対称性を解消することができます。
例3.調整のコスト
ある飲食店を訪れる前に、その店のメニューや口コミを調べたいと思うことがあるでしょう。しかし、その店の公式サイトに行くだけでも時間がかかりますし、他の人の口コミを探すにしても、多くのサイトを回る必要があります。そこで、口コミサイトやSNS上で、その店のメニューや口コミがまとめられている情報を見ることができます。これによって、調整のコストを下げることができます。
まとめ
以上のように、口コミは、社会的証明、情報の非対称性、調整のコストの3つの原理によって生じます。消費者は、このような口コミを参考にして、自分自身の選択をより正確かつ効率的に行うことができます。また、企業側も、口コミを活用することで、消費者の信頼を獲得し、売り上げを伸ばすことができます。